let's split

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ミニマリズムエルゴノミクスキーボード、let’s split

Twitter上の日本のキーボードファンの間でlet’s splitというキーボードをみんなで作ろう的な企画が@matsPodさん主催で開催されていたので参加して作ってみることにした。

もとよりストレートネックと肩こりに悩まされていたのでエルゴノミクスキーボードへの興味は強くあった。そのうちにErgodoxを買い、キーマップを自分流に染めていくうちにErgodoxの無駄なキーの多さが気になっていたのでlet’s splitのコンセプトにはとても共感した。

組み立て、失敗続きの一週間

今回のために半田ごてを買うような電子工作初心者だったので組み立てには手間取った。 正確には組み立て自体はすんなりいった。多分一番乗りで完成!くらいの勢いで。 しかし分離している左右のキーボード同士の通信と左側の一部キーが機能しなかった。

Twitterで親切な自作ガチ勢の皆様(敬称)にアドバイスをいただきながら、あれこれ試してみたがうまくいかず、結局一度解体することに。 この解体作業中にも問題があったのだろう。 それはPCBのランド剥がれ。 pro microを取り外した時にランドが剥がれてしまった。 それもピンポイントでシリアル通信に使うピンのところが。 それを知識不足から確認せず、なんども分解と組み立てを繰り返していたので無駄な労力が発生した。

結局、基盤2つ、pro micro4つ犠牲に。 新しい基盤とpro microを追加で注文して組み立ててみるとあら不思議、完全に機能するlet’s splitの姿が。

分解に問題があるとはわかったが、何故最初はダメだったのかイマイチわからずじまい。多分半田付け漏れか、半田が足りてなかったのだろう。

躓きやすい所

公式ガイドや日本語圏のブログなどでも十分書かれているがいくつか注意点があるとすれば、

  • pro micro取り付け前にその裏にくるスイッチを取り付けて置かないと後からつけられない。
  • ヘッダーピンと基盤またはヘッダーピンとpro microは半田吸い取りしても取れない。無理に取ろうとするとランドも一緒に剥がれてしまう。私はこれで失敗した。諦めて、新しい基盤とpro microを用意した方が早いかもしれない。
  • ダイオードの向きをなんども確認した上で次の工程に進む。
  • pro micro初回書き込みはリセットボタンの押し方やタイミングなどでOS側に認識されるかどうか変わってくるので、諦めず試行錯誤。ls /dev/tty.usb*などで認識されているかどうかを確認できる。連打が良いという記載もあったが、OS側に認識されたことを確認したら連打をやめること。でないと書き込み中にリセットされてしまうので注意を。
  • 左右をつなぐケーブルは4極であるかどうか。3極でも少しハックするば動くらしいが4極が無難。
  • 最新版(2017-7-15)ではrev2fliphalfは必要なくmake rev2-KEYMAP-avrdudeを両方のpro microに書き込む。初回を終えたらキーマップを書き換えるたびにわざわざ両方のpro microに書き込む必要はない(確認不十分)

できたよ!

歓喜の瞬間)

さて、そんな苦労を重ねて作り上げた通称レツプリ、どれほどのものなのか。

キーマップ

キーマップについてはまだまだ試行錯誤中。 特に英数、かなについては今は小指の斜め下の位置に設定しているが打ち間違いが多い。 LT(LOWER, KC_LANG1/2)で親指位置に持っていけるかと思ったが、どうもLTのレイヤー切り替えが遅いので使い物にならない。MO(layer)なら問題ないのだけども。 他にもbackspaceとpの打ち間違い。 あとはcの打ちにくさ。cについてはレツプリは完全な格子型配列なので最適な位置よりも少し位置が下にあるように思える。これは自分が小さい頃左中指を怪我して指の形が少し変形していることに由来する。

キーマップについては随時変更していくのでレポジトリを参照。 keymap/kmtoki

マウス

qmk firmwareにはキーボードからマウスカーソルを操作する機能があり、それを多用している。 デフォルトではカーソルの動きがカクカクだったので、config.hに以下を追加したら解決した。

#undef MOUSEKEY_INTERVAL
#define MOUSEKEY_INTERVAL 0

#undef MOUSEKEY_TIME_TO_MAX
#define MOUSEKEY_TIME_TO_MAX 150

#undef MOUSEKEY_MAX_SPEED
#define MOUSEKEY_MAX_SPEED 3

#undef MOUSEKEY_MOVE_DELTA
#define MOUSEKEY_MOVE_DELTA 5

#undef MOUSEKEY_DELAY
#define MOUSEKEY_DELAY 0

リストレスト

あとはリストレストもどうするか。 現状ではErgodox ez純正の物を使っているが、レツプリで十分ergodoxを置き換えられているので、ezは売りに出したい。 その時リストレストもセットである必要があると思うので代価のものが必要になる。 幾つ候補があるので試してみたい。

まとめ

実用性としては結局のところ、なれ。 タイピングは身体で覚えるものであると思うので、練習が必要なものであるのは間違いなく、それを使いこなすには労力が必要な物。 それでもなお、これを使いこなしたいと思える魅力溢れた美しいキーボードであり、それを作り上げていく過程はとても良い体験だった。お世話になった皆様へ改めて感謝したい。